涼しくなってきた。この記事を書いている10月中旬頃、ここ数日 急に気温が下がってきている。今年の秋は短いんじゃないか?と皆口々に心配顔。 冬の寒さが苦手な私も できればもう少しの間、過ごしやすい季節を楽しみたいと思う今日このごろである・・。
身体は正直というか現金というか、ちょっとの気温の変化にも敏感に反応する。20℃前半の気温ともなると温かい風呂が恋しくなってくるし、つい半月ほど前までは口にもしなかった熱い飲み物が飲みたくなってくる。 まぁ、この程度ならどうということもないが、季節の変わり目 身体にも変調を来しやすい時期、疲れやうたた寝でつまらぬ風邪など引き込まないように皆様にもお気をつけ願いたい・・。
特に “コーヒー党” というわけでもないが コーヒーは好きである。
20代の頃は格好付けてブラックに僅かなガムを足して飲んでいた。苦いのに・・w
それと同時に毎日2〜3本消費していたのが缶コーヒーである。それも「UCC ミルクコーヒー」(上島珈琲株式会社)である。”いつでもどこでも~♪” ではないが、会社の脇にUCC自販機(昭和時代の細長いやつ)があったので、ついクセのように飲んでいた。 UCCは当時既に全国展開を果たしていたので、この話もそこそこ通るのではないかと思っているが、食品業界は少なからず地域性をも持っているので「ウチの県では見たことね!」という方にはゴメンナサイ・・。
関東圏では「MAXコーヒー」がメジャーだったという話も聞くしね・・(^^)
昭和の「UCC ミルクコーヒー」を飲んでいた方ならご存知だと思うが、あれは普通のコーヒーではない。並のミルクコーヒーの味ではない。語弊を招く言い方なので、上島珈琲並び諸兄に賛否多々あるのは覚悟の上なれど あの味は独特であった。しかし、あの味は好きだった。 でなければ日に2本も3本も飲みはしない・・。
缶のデザインも基本を一にしながら時と共に変遷、コチラにはさらに細かく紹介されている。
何というのか 確かにミルクコーヒーであるのは間違いないのだが、その上に乗り全体を支配しているかのような、キャラメルのごとき味わいが他にはないもので これがクセになる。・・が、これが王道のミルクコーヒーなのか?と問われればどうなんでしょうね・・?と首を傾げたくなるような不思議な味だったのだ。
“UCC” 以外にも “Pokka / ポッカ” “ジョージア” “雪印” “ダイドードリンコ” そして1・2 “サンガリア” ・・と、当時既に数多の飲料メーカーが自動販売機にその花を咲かせていた。
そういえば “Belmie / ベルミー” というブランドもあったな・・。わりと好みの味だった気がする。”カネボウ食品” (現クラシエ)の販売だったようだが、カネボウ食品もその沿革を見ると 親会社である鐘淵紡績を基に、ガムで名を馳せた “ハリス” やジュースの素で知られた “渡辺製菓”、同じ飲料メーカーであった “エルビー” などを吸収して成り立っており中々に興味深い。
上述の「MAXコーヒー」については あまり当地で見掛けなかったこともあり残念ながら記憶に薄いのだが、当初、関東圏のコカ・コーラボトリングによる地域販売であり、後に全国区となった。現在はコカ・コーラブランドとのダブルネーミングとなり「GEORGIA MAX COFFEE」となっている。
知る人によると他の缶コーヒーとは一線を画した甘さが特徴だそうで(練乳仕込み)、それがまた固定ユーザーを惹き付けているようで、これは ある意味、西の「UCC ミルクコーヒー」のごとき独自性をもって孤高の道を歩む双璧なのではなかろうか・・?

20代の後半から胃腸に痛みを抱えるようになった。それまでの・それからの生活上の都合によるところも大きいのだが、ともかく何度も胃潰瘍・十二指腸潰瘍を繰り返すようになってしまった。
30歳手前のある日 医者に行くと「コーヒー飲むの止めなさい・・」という。 素直に従って暫くの間飲むのを止めていると少しばかり調子が良い。 ・・が、結果的に潰瘍・胃腸虚弱は根本的に治らず その後40代半ばまで続くのだが、この時の医者の言葉が暗示にでもなってしまったのか、以降 コーヒーを飲めなくなってしまった。 口では好きなので飲みたいのだが、飲むと決まって胃痛が始まる・・ような気がする・・w。
40代後半、ピロリ菌除去処置をしたらピタリと潰瘍を起こすことはなくなった。胃腸弱めなのは今も変わらないが、胃痛に悩まされ医者通いが絶えなかった頃を思うと極楽である。・・が、未だにコーヒーに対する仄かな忌避感が拭えない。飲めば飲めるし暴飲でもしない限り胃痛の再発もなさそうなのだが・・何とも情けない話である・・。
それでも、元来好きだったのは変わらないので、今は冬場に “ベトナムコーヒー” を飲んでいる。
今回のコーヒー話、総じてミルクコーヒー一色なのでブラック党の方にはもうひとつだろうし、ベトナムコーヒーなんて(それこそ)コーヒーじゃない!と思われる方もいるかもしれないが、あれはあれで結構美味である。ミルクたっぷり、砂糖たっぷり・・。あ、糖尿が気になる方にはとんでもない話か・・。
数年前だったか「UCCミルクコーヒー」缶を買って飲んでみた。変わらぬ3色カラーで発売以来50周年だか何だかを強調していた。多少デザイン的にもスマートな感じになっていたが・・。 味の方も随分スマート・・というか、普通のミルクコーヒーになってしまっていた。 昭和時代のキャラメルっぽい独特の味とは似ても似つかぬ現代の味である・・。
似たような愚痴の記事は以前から書いている。時が移れば社会も変わる。外見や謳い文句を取り繕っても中身は移り変わってゆく。それが この世の摂理なのであろう・・。
当時のUCCの味とは全く異なるが、今は熱いベトナムコーヒーが注がれたカップを啜りながら、そんな昔の味わいに想いを馳せるのみなのである。