粗忽の明星

いつの頃からか、芸能界というものが花形職業のようになって久しいが、昭和の初め頃・・まぁ戦前位までかな? ”芸人稼業というものは カタギの商売ではない” などと世間的には見做されていたようだ。(書籍などで知ったもので当然その時代の実情を私が知るわけではないが・・)

“芸人”(芸をなして生活をする者)の創始が どの時代にあるのかは明確ではないが、おそらくは室町時代あたりには発祥しており、江戸期に明確な職業として確立されていったのではなかろうか?

些かの小道具は必要としても、基本的に身体ひとつ、口上と演出によって賄われるものなので元手が不要。 財を持たぬ者でも始められることから、貧者・社会的地位の低い者によってなされることが多く、また、彼らをまとめ仕切る者たちも畢竟 社会の裏側に関わる人々が大半であった。

こうした近代以前の “芸人・興行” における歴史が、後の時代の “カタギの商売ではない” 認識につながっていたのだろうが・・、あらゆる社会の側面に法や観念の光が射し込んだ現代にあっても、それら古き因習の影が完全に拭い去られていないのも、また事実であるように思える。 多くの人の興味が集まり膨大な利益が発生する以上、そこに数多の、人の欲が渦巻くのもまた道理なのである。

しかし その核心、そこで芸をなす者の多くは “純粋に” 芸に憧れ、”純粋に” 観客の喝采を求め、そして “純粋に” 人の性に翻弄されてゆくのかもしれない・・。

 

【 本日のテキストはここまで、 以下の動画にあって登場人物の人生は、多くの昭和世代が知るところであろうから、ことさらに文章にはしない。 ・・が、ひとつだけ言えるのは、彼らは皆、芸にあっては “超一流” であり、彼らが遺したものは “昭和の笑いの壺” そのものであったということである・・。 】

 

 

 

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