ヒーロー像ではない。ヒーロー象である。
象がヒーロー、主役を務めていたドラマ、昭和テロップ初期に何度か取り上げた “海外(主にアメリカ)輸入” テレビ番組のひとつである。時期的には昭和43年(1968年)辺りだったと思う。
以前の記事に重複するが、当時はまだ輸入番組は結構多かった。
私が記憶する限界のアニメ番組が「マイティ・ハーキュリー」、ドラマ番組が「サンセット77」だったような気がする。セブリセブン♪ サンセッツ♪♪…
で、象のドラマの題名が 『巨象マヤ』
巨象といっても、象としては普通サイズではなかったろうか。インドが舞台の話なので当然インド象、まぁ大きいのは大きいけど・・。
ンで、・・いつものことながら内容はあまり細かく憶えていない。
同時期に放送されて人気となっていた「わんぱくフリッパー」の方に食われた・・という訳でもなかろうが、半世紀経った今でも “フリッパー” は憶えていても “マヤ” となると「ん? あ、あ〜・・」な感じで。ネット情報も多いとは言えないところが実状を物語っている。
とはいえ、さして面白くなかったのか? と言われると、そこそこ面白かったのではないかと思われる。 何せ、毎回 楽しみに見ていた記憶だけはあるのだ。
細かく憶えていないくせに いい加減な、と思われるかもしれないが、内容を詳細に憶えていないのは この番組に限らず、「フリッパー」も「奥様は魔女」も「スーパーマン」も、各回の内容に関しては殆ど憶えていない。要するに単に記憶力が低いのである。(自慢にならないが・・)
部分的に印象の強い部分だけ憶えている。「フリッパー」なら立ち泳ぎで “ケケケケケ・・” とデカい扇風機付けた特殊なボート。「奥様は魔女」なら “ピクピク” の口元。そして「スーパーマン」なら炸裂した原爆のキノコ雲を口で吸い取って治めた。・・といった塩梅である。
『巨象マヤ』に関しては、人間側、主人公の少年が二人いた。不遇を押してインドを訪れたアメリカ人少年と、何かの事件を元に愛象?を手放したくなく逃亡を図るインド人少年が、ふとしたことで知り合い、共に旅を続ける・・といった感じだったように思う。
放送の内容よりも オープニング映像の中で、巨象マヤに飛びかかってゆくトラ(ベンガル虎?)と、それを長い鼻で持ち上げ 地面に叩き落とすシーンが真に迫っていて、今なお鮮烈なイメージとして残っている。(本当に あのシーンはどうやって撮ったのだろう・・?)
英語版のwikipediaで見るかぎり、放送回は計16話とあまり多いとはいえない。他に映画版もあったようだが、総じて不人気打ち切りの憂き目にあったのだろうか? 無責任な感想で申し訳ないが、内容的には充実していたイメージがあるのだが・・。
映像メディア化もされていないようで、今となってはその詳細も得にくい。 メディア化、記録化されていない過去の遺物は、それを知る者が絶えれば永遠に失われてしまう。大きな評価を得られなかった作品は、どうしても商業ラインに乗せ難く、時の経過とともに忘れ去られる運命に触れてしまうが・・。
冒頭でも書いたように、当時は輸入物の番組が多く放送されておりそれぞれに人気を博していた。 良いのか悪いのか、コメディタッチの番組で流れる視聴者の笑い声?は録音したものを流しているだけ、と教えられたのもこの頃だったと思う。
様々な脚本、様々な手法が試され、テレビ業界もまだまだ夜明けの時代を生きていた頃だったように思う。 今から見れば稚拙な演出の作品も少なくないが、その内容は熱気に溢れていたのではないだろうか。 何処かにオリジナルフィルムが残っているうちに、こうしたマイナーな作品もバックアップされることを願ってやまない・・。
最後に今回の話とは全く関係ないが、同時代に放送され 記憶の底に埋もれていたにも関わらず、ある日突然、その主題歌が口をついて出てきた輸入アニメの動画を貼っておく。
記憶の断片とは不思議なものだ。何の切っ掛けか全く分からないまま、昨年末のある日いきなりスラスラと口ずさんでいたのである。こちらも内容の方は殆ど憶えていないのだが・・(^_^;)