地上の音符 ♪06 永遠のshout!

本日は “ロック音楽” のお話。興味のない方にはゴメンナサイ・・m(__)m

音楽はジャンルに囚われず割と何でも聴く。・・というと聞こえが良いが、当然 それなりに枠はある。 鳥羽一郎や殿キンも聴くし、山口百恵や井上陽水も聴く。ジューダス・プリーストやZZトップも好きだし、ドビュッシーやシベリウスもお気に入りである。聖歌や民族音楽なども結構聴いた・・。

けれど、それらとて 自分にとって心地の良いものを選んで聴いていたのであって、興味の外にあるものには手を(耳を?)伸ばしていない。 それに平成以降 ここ30年ほどの間、世間一般に知られる歌に関しては、ほぼ無知である。 SMAPの歌は一曲も知らないし、椎名林檎がどんな人なのかも分からない・・。

子供が聴いていたのでPUFFYは少し知ってる。平成期で新たに脳内に取り込まれ、お気に入りの一つとなったのは “Keito Blow” と “LOVE PSYCHEDELICO” くらいか・・。

 

事程左様に “何でも聴く” とか言っていても、自分の興味・感性に叶うものを聴いていただけであって、言ってみれば、それもまた “好み” の内である。 それは “何でも聴く” といえるのかどうか・・。

俯瞰してみれば、凡そ “メロディーラインがはっきり分かりやすく” “ドラマティックな内容となっているもの” が好みのようである。 ラップ音楽がどうしても入ってこない、割とバラッドやサントラものが好き、などというのもそれを裏付けていると思う。要するに単純なのであろう・・。

時代が進むに連れメロディーラインが複雑化し、増してテンポやビート主体の歌や曲が優勢になったことにより、近年の音楽に脳が追いついていかなくなってしまっているのである。 “Keito Blow” や “LOVE PSYCHEDELICO” がすんなり頭に入ってきたのも、基本的なメロディーやベースラインが古典的だからではなかろうか。

 

学生時代(高校生の頃)までは “ロック” なんて、ただやかましいだけの音楽だと思っていた。 海外では “KISS” や “ベイ・シティ・ローラーズ”、国内では・・”キャロル” “ダウン・タウン・ブギウギ・バンド” の残り香・・というかまだ多少マイナーなジャンルだったか・・。 ともかく、身の回りには好きな者もいたが、自分が聴いてみたいとはさっぱり思わなかった・・。

そんな私がロック、それも “ハードロック” を聴き始めたのは20代の初め頃だったか。勤め先の先輩の影響だった。海外ロック大好き人間だった その人から借りた “YES” や “ピンク・フロイド” のレコードから、私のロックに対する興味が始まったのだ。

以来、上で挙げた “ジューダス・プリースト” だの “ZZトップ” だの “アイアン・メイデン” だの、 “ハードロック” “ヘビーメタル” と呼ばれるジャンルのロックを好んで聴いた。(古くからの “イーグルス” や、全くベクトルの異なるクラブ系 “Visage” “Japan” なども多少聴いた)

斯くの如く、取っ付き始めの経緯から、ロックに関しては海外バンドオンリーとなってしまった私だが、別に日本のロックバンド・ロック音楽を下に見ていたわけではない。たまたま耳に沿わせる機会に恵まれなかっただけと思っている。

 

敢えて言うなら、日本のロックの場合 多くは日本語で歌われるため、歌う内容が分かってしまう(当たり前だが・・)。 そこに何となく違和感があったのかもしれない。私はどちらかというと “洋画(映画)” でも “吹替版” より “字幕版” の方を好む傾向がある。 外人さんならではの文化や雰囲気、エナジーが濃密な気がするのだ・・。

そんな中、英米ロック好きの私に、一瞬耳を疑うかのようなシャウトが聞こえた。 純海外のヘビーメタルロックに全く引けを取らない、堂々と渡り合えるような音楽性をもった日本ロックバンドの雄『LOUDNESS(ラウドネス)』だった。

それまでプロダクション側からアイドルロックグループとして、半ば強制的に売られていた「レイジー」(ベイ・シティ・ローラーズみたいな感じ)。 ここから高崎晃(ギター)と樋口宗孝(ドラム)らが袂を分かち、自分たちの求める硬派なバンド結成に向けて動き出した。 二井原実をボーカルに、山下昌良をベースに迎え4人体制での “ハードロックバンド” が誕生した。

 

80年代の日本では まだ、日本人ハードロックバンドは世界で成功しないという風潮が高かった。 英語・日本語の問題を含めても含めなくても、それは当時 ある意味 妥当な見解だったのかもしれない。(欧米人との体格差、そこから繰り出される暴力的なエナジーと感性は大きな壁であったと思う)

しかし『LOUDNESS』は それらのハンデ?を打ち破るほどの音楽性と高度なパフォーマンスを創造し、日本のハードロック史上に確かな足跡を残したのだ。

同時期に活動を始め、その後台頭していったバンドが『聖飢魔II』であろうか。
しかしながら、同じ “ハードロック・ヘビーメタル” のカテゴリーに属し名を成しながらも、『LOUDNESS』とは その方向性と展開に明確な差があったように思う。 彼らはより多角的な音楽作りを目指すとともにビジュアル面をも重視し、一般における認知度の向上につなげたのだ。

その点『LOUDNESS』は やはり硬派であったように思える。幾度かのメディア作品タイアップなどもあったものの、基本的にはツアーとレコーディングのみというストイックさで、一般メディアへの露出も極めて限られていた。

それでも『LOUDNESS』の本領は その硬派な道筋にあったのか。 着実にファン層を築き上げながら、その活動と実績は国内に留まらず海外での評価を見ても明らかであろう。高位ではないにせよ、この分野で長期間、ビルボードに名を連ねた稀有な “日本ハードロックバンド” なのだ。

通常、こういった一徹な路線は固定ファンは得られるものの、コマーシャル路線には乗せ難く大きな商業的成功に結び付き難い。 それ故バンド内メンバーの入れ替わりも起きやすい。 『LOUDNESS』も度々 構成メンバーの入れ替わりを味わってきた。

欧米ロック好きと言いながら、英語の発音やニュアンスなど毛の先ほども分からない私から見れば、完璧と思えた二井原の歌唱も未熟を指摘され一時期バンドから遠ざかっていた。

しかし『LOUDNESS』は解散に至らず、結成40周年を越えた現在も精力的に活動を続けている。 聴く方も歳を取れば演奏する側も歳を取る。メンバーの多くは私とほぼ同年代。体つきもお腹の出っ張りも相応の貫禄?を湛えながら、パワフルなプレイ&ドライブは今も健在だ。

2008年に創設メンバーの一人 樋口宗孝が他界、大事なドラマーを失ったが それでもその勢いは失われていない。「どんなにメンバーチェンジがあろうとも『LOUDNESS』は失われない」とする 高崎晃の言葉どおり、彼らの音楽・SHOUT!は永遠に続いて行くのだろう・・。

 

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