同じような事ばかり書いているので、段々と自分でも過去に言ったかどうか分からなくなってしまう。 ヘンコな性分が影響しているのか “B面” の歌が好きである。
要するにドラマやアニメ番組のオープニングにかかる “主題歌” よりも、エンディング時に流れる “終幕” の歌や曲の方が好みであったのだ。
物語を時に勇壮に時に前進的に歌い上げる元気な歌よりも、ややセンチメンタルであったり牧歌的であったりと叙情感に溢れた歌の方が性に合っていた。年末に ご案内した “三百六十五歩のマーチ” が苦手だったのも “元気過ぎる歌” だったからかもしれない。
例えば、往年の名作アニメ『サイボーグ009』でも、新旧どちらのオープニングテーマも好きだが、どちらかというとエンディングテーマの方が好みである。
ー【戦いおわって】サイボーグ009 (1968) ー
ー【いつの日か】サイボーグ009 (1979) ー
時代劇、いわゆる『必殺シリーズ』では、秀逸なエンディングテーマが多かったが、とりわけ次の三曲が胸に残る・・。
ー【望郷の旅】森本太郎とスーパースター 助け人走る ー
ー【旅愁】西崎みどり 暗闇仕留人 ー
ー【さざなみ】西崎みどり 必殺仕業人ー
ー【負犬の唄(ブルース)】川谷拓三 必殺からくり人 ー
仮面ライダーシリーズは事実上 1号・2号、V3の始めの方までしか知らないが、エンディングならこれ一択! エンディングではないが裏ヒーローソングとして「キカイダー」からこの一曲。
ー【ロンリー仮面ライダー】子門真人ー
ー【ハカイダーの歌】一郎兄貴と宙明さんの偉大な遺作となったー
・・と、いうことで、本日のメイン。アニメ番組の一曲である。
番組のタイトルは『さすらいの太陽』。少しだけマイナー気味かもしれない。昭和46年、1971年4月8日 ~9月30日まで放送されていた、少女漫画のアニメ化番組であった。(藤川桂介原作、すずき真弓作画) 故に男性陣には多少縁遠いイメージがあるが、まだ若き日の “富野由悠季” 氏や “安彦良和” 氏らが制作に関わっていたマイルストーンでもあった。
案内しといて何だが、私自身このアニメを通して見てはいなかった。ほんの数回チラっと見た記憶しかない。 下町出身の歌の好きな少女が “流し” をしながら家計を助け、苦労を乗り越え やがて歌手として大成してゆくといった感じの内容だったように思う。 後に知ったことだが、実在の歌手 “藤圭子” をモデルとしていたとも聞く。
少女漫画ならでは・・とでもいうか、様々な人間模様を主軸に描かれたドラマであったが、このエンディングテーマであり、作品の主たるテーマとでも言うべき一曲が『心のうた』。 その名の通り心に沁みる珠玉の歌である。
ー【心のうた】藤山ジュンコ「さすらいの太陽」ED ー
誠に妙な形容で恐縮だが、この番組の2年前に発表され一世を風靡した “千賀かほる” の「真夜中のギター」が “月の下で聴く心の歌” 、この『心のうた』が “太陽の下で聴く心の歌” に思えて仕方がない。 昭和時代のシンプルで馴染みやすいメロディーラインと詩運びに、当時を知る者ならば、たとえこの曲が初耳であったとしても、心の琴線に触れるものが必ずあるのでは・・と思う。
堀江美都子氏も歌っておられるが、今回は主人公 “峰 のぞみ” の声も担当された “藤山ジュンコ” 氏の歌声でお届けして幕としたい。