みかんちゃん

昭和テロップ にいつもお越しいただいている方には、現在、私の住む県が何処であるかご存知だと思う。 和歌山県である。10歳の頃 当地に来てその後 幾らかの変節はあったものの、以来50余年を この紀州和歌山で過ごしている。 問題がなければ このまま “その日” が来るまで この地で生きる予定である。

 

“和歌山へ引っ越す” と聞いた子供の頃、それが何処にあるのか、どのような所なのか全く検討がつかなかった。何となく大阪の近くにある所といった感じでしかなかった。(当時、名古屋在住)

初めて当地に来て、その小学校に通った頃 味わったのが “訛り(ナマリ)の違い” である。
地域差が薄れてきた現在でも多少残っていようが、50年前ともなれば大人も子供も かなり方言丸出しの状態であった。 通ったクラスで最初に言われたのが「お前 訛っとるな・・」であるw。(やかましいわ! 言うとるお前も訛っとるわ!)w

 

自分としては、それまで名古屋で育ってきたからといって、それほど “みゃーみゃー” 言ってたつもりはないのだが、当地の人から聴くとそう聞こえたのかしらん。 こちらから当時の和歌山弁を聴くと何となく “ろれろれ” “ら行” っぽく聞こえたように思う・・。

何分、子供のことなので笑い笑われながらも、じきに打ち解け1ヶ月も経つ内には “俄の和歌山弁” も使うようになっていった。 ”混ぜもの” であるが故に30歳位までは “どことなくビミョーな和歌山弁” だったようだが、歳も取り、方言の薄れた現在では むしろ周囲よりも “濃いめの和歌山弁” かもしれない・・。

ともあれ、基本的に温暖で、良くも悪くもまったりした この地の風土・性状は、神経質なくせにマイペースな私の性分に合ったらしく、以降、今日に至るまで第2・第3の故郷として私の人生の大半を成している・・。

 

和歌山の特産品といえば「みかん」「柿」「梅」といったところ・・。
まぁ、「梅」はともかく「みかん」をはじめとした青物(青果物)は、今どき全国どこでも大量に生産・出荷しているが・・。

とりあえず、みかんに関しては この時期、生活に密着しているというか・・、(誰でもではないと思うが)お金を出して買わずとも、いつも家の中に転がっているという感じ。いつの間にか貰い貰われて、わざわざスーパーで買わない人も少なくない。 食べすぎて手の平や足の裏がまっ黄っ黄になってしまう人も多い。(健康被害は無い)

「正月=コタツでみかん」という絵面は、ハイテク・スマートな?現代にあっても未だ衰えぬスタイルであるようで、帰省してようやく一息ついた家族が迎える田舎のお正月といった感じで微笑ましい。

 

最近では見る機会も減ったが「正月=みかん」でもうひとつ思い起こされるのが「しめ飾り」である。(* 地域差あり)

近年の不況、経済成長の鈍化、そして経費節約の影響か、年末の締め日に社内の “正月用のしめ飾り” を設置するところも減ったようだ。 昭和の末頃までは12月28日前後の締め日ともなれば、定時もそこそこ事務(総務)の人が各部署に配ってまわったものだったが・・。

正確に言うと、あのしめ飾りに付いているのは “みかん” ではなく “橙(ダイダイ)” である。 みかんと同じ柑橘類で、多くの場合みかんよりやや小ぶりなものが用いられる。
収穫時に採らずにそのまま木に残しても落ちることなく、次の世代の実とともになっていることから “ダイダイ(代々)” と掛けられ、縁起の良いものとして使われてきた。

只、酸味・苦味が強すぎて調味用にしか使えず、流通も限られることから “みかん” を代用として使うことも少なくない。

 

さておき、正月のしめ飾りをきっちり飾る企業も減った。個人の家でも元旦から鏡開きまで軒先に吊るしたものだが、和歌山市のような地方都市でも近年その風景を見ることは少なくなった。

わずか10日あまりの飾り付けに それなりの出費を負うこと、正月が明けたら神社に持ち込んで炊き上げてもらわねばならぬことなど、現代の合理性に沿わぬ故でもあろうが、歳時を表す表象でもあっただけに些か寂しくもある。 季節感・・というか、そういった感覚がどんどん薄れてゆくような気がしてやまない。

しめ飾りで 見なくなったといえば、車のフロントグリルに付けていたしめ飾りも、かなり失われた風習と言っていい状態であろう。 昭和の頃は多くの車が正月限定装備の “しめ飾りグリル” となっていた。 まぁ、今の若い人が見れば首を傾げるスタイルにしかならないかもしれないが・・。

AMW / 株式会社交通タイムス社 様から画像拝借。クリックでページが開きます。

元々、正月に招来する “歳神” の坐す場所(家内)の浄め・神域化のための “しめ飾り” であり、お守り代わりというわけではないので、車に付けるのはどうだろう? とも思えるがw。そこは融通を効かす日本人気質、一過性とはいえ モータリゼーションの波とともに広まった、有り難げな風習であったのかもしれない。

 

風習は風習、いつしか廃れ失われてゆく。 10年後、20年後にどうなっているのか? 季節感どころか正月も盆も無いような時代なのか? そして、”コタツにみかん” というスタイルも無くなっているのか・・? ホントどうなっていることやら・・。

さて 最後に、本日のお題『みかんちゃん』は 和歌山県特産? の “飴・キャンディ” である。(和歌山市 川口製菓株式会社 製造販売)

何となく関西地域では “飴=おばちゃんの持ち物”(飴ちゃん食べるか !?)なイメージも有ったり無かったりだが・・、普段あまり飴など舐めない おっさんの私でも口にしていたいと思う美味しさである。ご贔屓である。

みかんの味わいを自然に濃縮したような甘みと、やや大ぶりなサイズでお得感もある。(但し大ぶりなだけに高齢者や子供には、やや危険でもあるが・・)機会があれば、是非ご賞味を・・ (^^)

 

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