女子プロ – 後

前回に続いて「女子プロレス」ネタ。得意でもなければ知識もないネタで2回も続くとは思わなんだ・・。ギブアップ寸前かもしれん・・。

「女子プロレス」で画像検索をかけてみると、まさに百花繚乱とばかりに様々な選手が その勇姿を晒している。多くは現在活躍中の若い選手のようだが・・何か皆 別嬪さんが多いね・・。中にはアイドル歌手みたいな人もいるんだが・・あれで、ド突き合いとかシバキ合いとかするんだろうか・・。

かと思えば、古参ながら 今もテレビなどに出られる “デンジャラス・クイーン / 北斗晶” や “ミスター女子プロ / 神取忍”、”極悪女王 / ダンプ松本” なども写っている。

“神取忍” なんか今のトーク映像など見ていると “気のいい近所のオバさん” に見えてしまうが、現役時代の姿を思えば、武器持ちのハンデをもらっても勝てる気がせん。ヒョイと避けられ一撃でトバされて終わりではなかろうか・・。TKO以前・・;。

 

前回 “マッハ文朱” を引き合いに出させてもらったが、マッハと入れ替わるように女子プロ界に躍り出たのが “ジャッキー佐藤とマキ上田” からなる “ビューティーペア” 。

リング上での活躍もさることながら、ペアスタイルでの歌や雑誌・テレビ・映画への露出が多く、当時の女子プロレスにおいてアイドル的存在となった。プロレスをあまり見ない者にはタレント的なイメージの方が強いかもしれない。

一時代を築いた彼女たちだが、表から見る姿と内面の相違、そして互いの意識と葛藤、41歳という若さで他界した “ジャッキー佐藤” の想いなど、今思うと中々に重く感慨深いところも多い。 “ペア” というものはプロモーターによって作られたものなのだろうが、二人が本当のペアになるには、相応の時間を要したのだろう・・。

 

極悪女王と謳われた “ダンプ松本” も、華やかな “ビューティーペア” の姿に憧れてプロレス界入りした一人だという。

ヒールの役どころに就くと「極悪同盟」徹底した悪役を演じきり、”実は気さくな良い人” を表に出すこともなく、現役引退まで背負った役割を全うした。 信念とまでいえる仕事への拘りようは、この時代の “ヒール” の形を確立したともいえよう。

ライバルとして設定された “クラッシュギャルズ / ライオネル飛鳥” & “長与千種” と、個人的に深い親交があるにも関わらず、引退しきるまで公に口もきかなかったというのも、彼女の生真面目さと覚悟を思わせる一面であろう。

女子プロレスの人気が低迷している近年にあってもリングへの想いは失せず、還暦を過ぎた今も人気再興のため現場主義を貫き、プロレスに関わり続ける姿は一介のヒールを超越したスーパーダークヒーローとも言えようか・・。

 

今回、”女子プロ” のネタを書こうかと思ったきっかけは、何のタイミングだったか “キューティー鈴木” の名を見かけて「あぁ、そんな女子プロレスラーがいたな・・今どうしているんだろう」と思ったからだ。 数は減ったものの現在もタレント業やプロレス関連の仕事を続けておられる。

この人もまた “ビューティーペア” や “クラッシュギャルズ” に憧れてプロレスの世界に飛び込んだクチであったが、デビュー当時からその美貌に注目が集まり、アイドル性の方ばかりが強調されたところがあり、本人も “キューティー” のリングネーム含め本意でなかったという。

155cm と、プロレスラーでなくとも高いとはいえない身長ながら気丈に戦い、同時に興行・収益の面から過度な芸能活動も強いられ、本人曰く365日で364日働き睡眠時間も3〜4時間であったそうな・・。 本来進みたい正統派プロレスに100%打ち込めず、芸能との二足のわらじは不要な誤解と軋轢を生み、苦しんだ時代も短くなかったのだとか。

プロレスへの想いは他に引けを取らず、アイドルレスラーのイメージを払拭するかのように 12年間の現役期間を努めあげている。

 

女子プロレスを知らない私でさえ、少し頭をひねるだけで、これだけの著名なスターレスラーが浮かび上がってくる。 しかし、ファンの方々からは「◯◯◯が何故出てこない!」「◇◇◇は外せないだろ!」とか叱られそうだが、何とか寛容いただきたい。

前回の冒頭で “調べてブログを書く” 旨述べたが、こんな薄い内容のブログでも それを調べているうちに、単なる情報に留まらない新たな知見と認識に恵まれることは珍しくない。

女性がこんな暴力的な世界に身を投じてゆく姿に疑問を残したが、彼女たちは安易にこの道を選んだのではなく、真剣な意思と夢をもって “女子プロレス” を生きていたのだ。 また、一部とはいえない数の選手が その生い立ちの苦悩を抱えながら、それをバネにするかのように、文字どおり死にものぐるいでリングに上がっている。 腹の底から苦労や苦しみを知る者ほど、心の芯は強く他人には優しいものだ・・。

競技としてのスポーツであっても、十年二十年と努力研鑽を続けても、その頂点に手が届く者は千人万人の中の一握りでしかない。

格闘技というスポーツでありながら、同時に興行という暗澹の動機が渦巻くプロレス業界にあっては(少なくとも昭和の頃は)、尚更 その坩堝の中を生き抜いてゆくのは半端な意気地ではなかったであろう。 そして そんな世界 “女子プロレス” を彼女たちは愛し続けている・・。

女子プロ界きってのストロングスタイルで、カリスマといわれた “長与千種” の言葉に感銘を受ける・・。

「勝った人間もいい顔をするけど、負けた人間の本当に悔しい顔ほど素敵なものはない」

“女子プロレス” は彼女たちの人生そのものであり、それは現在進行形でもあるのだ。

※ 文中 敬称略

 

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