クチュクチュ シュワシュワ~

今年の春頃・・、いつものように昼食をとっていたら、突然 口の中に違和感が生じた。

左上側の辺りから何か大きな感じのものが、抜け落ちかけているような感覚・・。 [ あ、詰め物(インレー)か何かが外れかけてるな・・ ] そう考えた私は、歯医者に電話をかけて予約を取った。 空きがあったので すぐに診てくれるという。有り難い・・。

 

歯医者までバイクで数分。 診療台で聞いた医師の言葉にビックリ。

「小臼歯が落ちかけてますね、歯槽膿漏です。」

え? 詰め物や被せ物じゃなくて、歯そのものが外れかけてるの・・!?

「えぇっと・・先生・・ それって治るんですかね・・?」

「基本的に完治は無理ですね」 にこやかに答えてくれる。

えぇ? じゃ今日から一本 歯無し !?

「う~ん・・ 右・・左・・あ、これもチョッと・・。 多分 他の歯も何本か同じような感じになってくるかも・・」 さらに にこやかに追い打ちをかけてくれる。

オィオィ この歳で入れ歯かよ !? 勘弁してくださいよ・・!?
インプラントなんて とてもじゃないし・・!?

「まぁ、完全に落ちきっていないので、一応もとに戻して仮に固定してみます。 後は歯茎の腫れやなんかを治療して、歯をしっかり支えられるよう歯茎の活性化を図ってみましょう・・」

以来 半年、一度落ちかけた歯は今もなんとか口の中で頑張ってくれている。それ以降、歯磨きや口内環境の保全に努めだしたのは言うまでもない・・。 まぁ、30年以上遅いのだが・・。

 

事程左様に人というものは、我が身にトラブルが訪れてから はじめて真剣に事態を考える。

出掛けるときに「気をつけてね」というのは誰もが交わす常套句でもあるが、それを聞いて “あ、そうだな、気をつけなきゃ・・” と思う事は稀だ。 事故を起こしてはじめて戸惑いや後悔の念に苛まれる・・。

歯磨き・口腔内のケアをしっかりしないと、後々 後悔することになるよ・・なんて、「リンゴをかじると歯茎から血が出ませんか?」以来、半世紀以上前から言われていたはずなのに この体たらく・・。

子供の頃から 少食であり、胃腸もあまり丈夫な方ではなかった。 魚料理が苦手だったせいか歯の方もよろしくなく近所の歯医者にもよく通っていた。

当然、物心がついたときには歯磨きをはじめていたが、正直なところ面倒な日課の一つくらいにしか思っていなかった。

子供の多くが そうであろうことを見越していたか、少しでも喜んで歯磨きに取り組むよう企画されていたのか・・売られていたのが “子供用歯磨き” である。 あの “メロン” だの “バナナ” だの “イチゴ” の味がするやつである。

“サンスター” 製 だったか “ライオン” 製 だったか憶えていないが、確か ディズニーの絵柄が箱に書いてあったように思う。

ウ~ン・・多分 “バナナ” 味が好みだったか・・、”イチゴ” は本物の果実はともかく、菓子など “風味” としての “イチゴ味” は好きでなかったので違うだろう・・。(同様の理由でチョコレートの “アポロ” も もうひとつ苦手だった)

あれも慣れの問題なのだろうが、使っている間は “美味しい” 気分で使っているものの、ペパーミントの洗礼を通り越して、大人と同じ歯磨きに慣れると もう戻れないんだよな・・。 考えてみれば、初めて “塩入りザルツ” を使ったときも似たような体験をした。

昭和の終わり頃だったか、とあるテレビの番組でタレントの “山瀬まみ” さんが「ダイエットをしたいときに、子供用の歯磨きで歯を磨いて食事を摂った気分を味わう」と言っておられたのを何故か憶えている。 味覚とは不思議なものでもある・・。

 

親父は若い頃 ヘビースモーカーだったので「タバコライオン」を使っていた。
タバコヤニ除去のためか、研磨剤入りの粉タイプだったようで 私が4~5歳の頃 家に有った。 フタを開けた姿が何となく、パンタグラフを上げたチンチン電車に見えていたのを憶えている。 喫煙人口の減少からか、粉タイプの需要が減ったからか現在は廃盤となっており、僅かな残品がネット上で暴利で扱われている・・。

 

小学校に ある日 講師?がいらして “歯の磨き方” を指導してくれたことがあった。
前日の連絡で “明日歯ブラシを持って来い” というので持っていったら、朝礼よろしく運動場に並べという。 前の高台のところから講師のお姉さんが磨き方の見本を見せてくれるのだ。

「歯ブラシを横に往復させて磨くのではなく、縦にクルッと回すように順番に磨いていくんですよー!」 お姉さんはにこやかに指導してくれるが “そんなムツカシイ磨き方出来んわ!” と内心思っていた。

以降、50数年にわたり 適当にガシガシやっていた。
その結果が冒頭の状態である。

画像 © 毎日新報様

歯医者さん曰く、歯の健康維持は 一に歯磨き二に歯磨き だそうだ。

歯磨きは、歯と歯のすき間に沿うように当てて動かす。
力を入れずに軽く磨いてゆく。大きく動かさずに、小さく小刻みに、丁寧に、まんべんなく、磨き残しが無いように、心を込めて動かしてゆくw。
これが歯磨きの極意である・・。

お前に言われんでも、そんなん分かっとるわ!
そう思う貴方、貴方もまた要注意ですよw。

 

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