「ネッシー」 どうなんだろう・・令和はともかく平成、それも前半生まれの人なら大体は この名を知っているのだろうか・・? 何せ世界的に有名なUMAだからな・・。
時代が進むにつれて未確認な物体や生物に対する、世間の興味が薄れてきた。
使い古されたからか、視聴率が見込めないからか、テレビ番組でもかつてのように取り上げられることも減ってしまった。 今どき「ツチノコ」なんて子供にでも 乾いた笑いでに返されそうだ・・w。
先日、イギリスのエリザベス2世 女王陛下が崩御された。96歳の大往生であった。
96歳、凡そ100年・1世紀に近い人生であったわけだが、同じイギリスのネッシーとエリザベス女王、どちらの方が歴史が長いのか・・などと不敬なことを考えながらも調べてみると・・。
何とまぁ、ネッシーに関する初出は西暦565年に遡るそうだ。随分と長生きだねw。
只、一般的に名が広まったのは1933年頃以降、1926年生まれだった女王が少女の頃から拡散していった話題。
ネス湖からさほど遠くないスコットランド・バルモラル城によく滞在されていた女王(当時は王女)も、当時この話を耳にされたのだろうか・・。 最も鷹揚で茶目っ気たっぷりの彼女であれば、怖がるというよりも 見に行きたがったようにも想像できるが・・。
因みにネス湖という湖は、全長35km 幅2kmという、湖というより川といった方が しっくり来るような細長い淡水湖である。もっと言ってしまえば、スコットランドの北西部陸地と南東部陸地を分けるように渡る峡谷の一部である。従って その峡谷の両端で、北海と北大西洋につながっている。
もひとつ因みに、コーヒー・乳製品で有名な「Nestle / ネスレ(旧称ネッスル)」という国際的な会社があるが、こちらは人名を元にしたドイツ・スイス系の名で “ネス地方” とは何ら関係ない・・。
ともあれ 有名になってからでも90年、初出からなら1400年以上経った現在でもネッシーは確認されていない。
ネッシーに続けとばかり世界各地の湖や沼で見たとされる「◯◯ッシー」が頻出したが、これもまた、どれひとつとして確認されていない。「雪男」も「ビッグフット」も「チュパカブラ」も上記の「ツチノコ」、そして「UFO / 宇宙人」もまた然りである。
しかし、言ってみれば「ゴリラ」や「シーラカンス」「イッカク」なども、旧時代におけるUMAであり、その後 存在が確認されたのだから、今後「ネッシー」が発見される可能性も “0” ではないのだが、確認された生物とは少々 次元が違い過ぎる気もする・・。
確認された生物で最も “ファンタジー / オドロオドロしい” のといえば「ダイオウイカ」(古来 クラーケンとされて恐れられた)あたりか・・。
昭和52年(1977年)日本のトロール漁船によって太平洋上で捕捉され、国際的なニュースともなった「ニューネッシー事件」は、その骸の形状から大いに世界を賑わせたが、その正体は “ウバザメ” であった。
当時まだ学生であった自分も頭の中では(クジラか何かの骸だろ・・)と思いながらも、興味に湧いていたことを憶えている。
上記の どのUMAであれ、今 実際に発見・確認されれば再び大ニュースであろう・・が、やはり確認されて、最も世を震撼させるのはUMAよりも「UFO / 宇宙人」であろう。
UMAは驚嘆はあっても、人間の社会にさほどの影響を及ぼさないが、他星系の知的生命体、それも惑星間航行技術を持つ存在など脅威でしかないからだ・・。
まぁ、映画や漫画のように、突如 巨大宇宙船が来襲したり、地球に不時着して中からコンニチワ・・という可能性は、それこそ天文学的な割合で低いだろうから心配なかろうが・・。 それに比べればUMAが発見される可能性の方がはるかに高い。
「人面魚」というのがほんの一時 話題になったっけ。あれはUMAというより “そういう模様の鯉” であって不思議でも何でもない。
「人面犬」というのも話題になったが、こちらは殆ど “都市伝説” の類いで、言ってみれば “妖怪話” のカテゴリーである。「口裂け女」などもご同様・・。
ともあれ、UMAであれUFOであれ、はたまた都市伝説であれ、この手の話は大抵の場合、下らなく馬鹿馬鹿しい。 もちろん 中には実際その目で見て「自分は見た」と主張している人も沢山いるのだろうが、証明にはおぼつきそうもない。
しかし、そんな下らなさ、馬鹿馬鹿しさの中に潜む “未知の自然や次元に対する畏れ” こそが大事なのだとは思う。 これだけ広い世界の中で、大半を知ったかのような気分でいると、いつか足元を掬われるのは人間自身に他ならない。
いささか雑多で薄汚れたような昭和時代の町並みに、懐かしさだけではない、安堵感を感じる向きが少なくないのも、”曖昧” や “不明瞭” の中にこそ共感を得られる “人間の性” であろう。 何ひとつ揺らぎも無ければ緩さも無い “完全秩序” “無菌室” のような環境は人間本来のものではないのだと思う・・。
「川口浩 探検隊」みたいな番組、またやってくんないかな・・。
最後に・・エリザベス2世女王陛下、ご冥福をお祈りします。
こんなところに引合いに出してゴメンナサイ・・m(__)m