10-4・10-10

「嵐の中で唯ひとり〜 風が吹き荒れ 屋根が飛ぶ〜♪」
嵐の中で風が吹くのは当たり前だと思うが、屋根が飛ぶレベルになるとさすがにヤバい。・・というか、どうこう言ってる場合ではない。「ピンチに会ったぞ 発信だ〜♪」・・発信連絡も良いが さっさと安全な場所に退避すべきだろう・・。

「ゴジラ」や「ウルトラQ」「ウルトラマン」などで大きな社会現象となった “第一次怪獣ブーム” から多少の沈静時期を挟んで、もう一波とばかりに始まった “第二次怪獣ブーム” ・・

但し、円谷の執念を軸として様々な鬼才が集い花開いた “第一次” と異なり、意図的な “柳の下感” が拭いきれない “第二次ブーム” ・・、 それまでにないものをと、あれこれ工夫を凝らして挙げ句、微妙な出来合いのものが多く生まれた多種多彩・百花繚乱の時代でもあった。

「怪獣」「超自然」「宇宙人」「正義と悪」といった シンプル&ストレートなフォーマットから、「怪奇現象」「知能犯罪」「環境問題」「多角的な主人公像」と、良くも悪くも様々な付加価値を模索していた・・言い換えれば “妙味” の時代でもある。

 

そんな中、昭和47年(1972年)NET系列(当時)で放送されたのが、上記の主題歌を歌う『緊急指令10-4・10-10』(テン-フォー-テンテン)だった。

“無線” と “捜査”、近代捜査業務では切っても切れない二つのキーワードを物語のベースとしている・・のだが、当時の子供だった自分には今ひとつピンと来ない。 捜査にとって無線は重要なアイテムだが、事件解決の直接的な道具とはなり得ず、その辺りの弱さが この番組を大ヒットにつなげられなかった一因とも言えようか・・。

変身能力を持つ超絶なヒーローではなく、超科学な兵器を携えた国家的な部隊でもなく、大学の教授が趣味で立ち上げたような軽装備なチームが、宇宙人や怪獣相手に数人で立ち回るのは さすがに無理があるだろう・・と、言いたいが・・、

それを言うなら「ウルトラQ」なんか、軽飛行機のパイロットと女性記者+賑やかし要員の兄ちゃんの3名だけで、物語を推し進めていたのだから、それに比べれば充分な戦力といったところか・・w。

「ウルトラQ」では実質 一般人3人が事件にあたる・・

圧倒的な力や科学力ではなく、”無線” を駆使して難事件に立ち向かう・・言い換えれば、無線機を持つ者なら誰でも捜査に参加でき解決に協力できる。 言わば “ネットワーク” による悪や災害への対抗という、時代を30〜40年先取りしたシナリオだったとも言え、事実、そのような描写も隅々に見られた。

まさに 先見の明 甚だしきフォーマットであり、ヒーローに任せきりの勧善懲悪番組と異なり、(Wikipedia いわく)”児童向けの怪奇大作戦” のごとく、協力のもとでの事件解決譚であったのだろう。 畢竟、怪物も宇宙人も そして家出人捜索もみな、同一レベルの事件のひとつであり、敵がどうのという以前に “解決” とそれに関わった人々のドラマなのだ・・。

派手さに欠ける この作品が、当時大きな成功につながらなかったのは無理からぬところもあるが、それでも原案者がこれに込めた意図、そして熱意はユニークなアクションドラマとして、今もマニアの間で語り継がれている。

70年代はモータリゼーションにおいても、一応の形を成した車社会が次のステップを踏み出した時期でもあった。

土台が出来上がり、その上に各社各様 様々な趣向を凝らした新製品・新番組が、混沌の坩堝から次々と生み出された時代でもある。 まさに玉石混淆のパラダイス!・・。
たとえ それが大きなヒット作とならなかったとしても、そんな時代と意識の中から生まれたものには、失われない輝きが残っているのだ・・。

 

 

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