タチビな車 vol.07 長身が良いとは限らない

車ネタを書くときは 何故かチョコチョコこれをやらかしてしまう・・。
誠に申し訳無い m(_ _)m 本日は “平成テロップ” である。半分ほど書いてから気づいた・・orz
平成5年の発売車種

中肉中背である。・・多分・・。
167cmという身長が今の世の中において中背に含まれるのかどうか微妙であるし、体脂肪は然程ではないものの、お腹まわりにはしっかり付いている。 まぁそれでも自分的には中肉中背の内だと思っている。BMI は規定範囲内。

背が高くてスラリとしたスタイルは時代を問わず、また男女を問わず “カッコいい” 姿とされてきた。 この歳にもなれば身長のことなど もうどうとも思わないが、若い頃はあと5cm有ればなどと思ったものだ・・(^_^;)

何くれに “高い方が” “速い方が” “広い方が” 良く見えてしまうのは、人間の性と言ったところだろうが、おそらくは原始の時代から刻み込まれた “生存に有利な表象” に根ざしているのだろう。 実際には必ずしも有利と限るわけではないが・・。

 

車が生活や行楽のための一道具と化した現代、車に対する価値観も随分と変わって来た。かつては荷物を運ぶ商用車でしかなかった “箱バン” や “ミニバン” のスタイルが、今や乗用車のスタンダードな形といって差し支えない。

セダンをはじめとする3BOXは少数派、一時期流行ったステーションワゴンも一過性のものだったと言わざるを得ない。

持てるかどうかはともかく、大きく平べったく背が低い、大型高級セダンやスポーツカーに憧れの眼差しを向けていた、昭和時代とは隔世の感がある・・。

そんな、ワイド&ローの時代から移り変わってゆく過渡期でもあったのだろう。
一台の車が世にその是非を問うた・・。

 

その名は『ホンダ ラファーガ』 まだ低重心+ワイド指向が強かった(言い換えれば保守的でもあった)セダンの領域に新風を吹き込むべく、ホンダが投入した意欲作でもあった。1993年(平成5年)発売、 CMクレジットは『背が高いこと -ホンダの新しいカタチです-』

こうして見ると中々に精悍な趣

クレジットどおり、そのセダンは少々 車高(というより頭頂)が高かった。特にキャビンスペースにおいて それが見受けられる。 3ナンバークラスの居住性を5ナンバー車体のまま実現するために、車幅はそのままに高さ方向へと伸ばしたのである。

この 上方向への伸長という手法は、昭和56年に発売され “トールボーイ” の名で一躍ヒットとなった『ホンダ シティ』によって既に確立されていた。 (あ、昭和とつながった・・これでヨシ!w) 言ってみれば12年越しに縦方向の思想を再チャレンジのごとく中型セダンに持ち込んだともいえる・・。

 

一台の車 と書いたが、正確には『ホンダ アスコット(二代目)』との姉妹車であった。
販売店が異なり、細部の意匠が違えるだけで内容的には同じ車、但し「ラファーガ」は国内専用車種であったという。

車全体としての出来は良かったようだ。それまでトヨタや日産に水を開けられていた、内装の演出についても結構こなれてきていたし、トータルの仕上げも安定してきていた。
エンジンは 2.0Lと2.5Lが用意されそれぞれ160ps/180psを叩き出した。

只、パワートレインの性格は?というと、これがまぁホンダらしいというか何というか・・やたら吹け上がるエンジン・・。回してナンボ、引っ張ってピカーッ!の性分である。 したがって回したい走りたい人にはもって来い、だが、セダンを粛々と走らせたい人には ある意味無用の長物でもある。

初代インスパイアから受け継いだ ユニークな5気筒エンジンを、”縦置き” に “フロントミッドシップ” という、これまたユニークなレイアウトとしていることから、左右モーメントの均等化には有利だが、FFのそもそもの利点でありウリでもあるキャビンスペースの広さを妨げてしまう。 穿った見方かもしれないが「ラファーガ」のトールセダン化は、この辺りの折衷策と見ることもできる。

そして、重心が高くなった分 あまり旋回性は良好ではない。これは “中型セダン” という乗り心地を蔑ろに出来ない足回りの故でもあったろう。つまるところ操舵性能に有利なはずの、フロントミッドシップの利点さえ生かしきれてないということになる・・。

 

販売期間は4年間、1代限りの短命となった。

総合的には良く出来た車であった。 しかし、そこに込められた幾多のファクターが有機的に機能しきれず、どちらかというと折衷的に噛み合い、そこに “トールセダン” の旗印を持ってきたかのようにさえ見えてしまう。

右下は姉妹車である ホンダ・アスコット(2代目)

縦方向への居住空間拡大というのは、「シティ」で人々の話題をさらい一世を風靡したが長くは続かなかった。 知人が乗っていたが然程広さを感じない、上方向への伸長は圧迫感の緩和に効果的だが、あくまで補助的な拡大感覚であり、人間の目と認識は横方向へと広がっているのだ。 事実「シティ」も二代目はワイド&ローへと戻ってしまった。

 

それでも私は、こういった “他人がやらないことを敢えてやる” ようなホンダの姿勢が好きだ。 そこには 時に “へそ曲がり” とさえ言えそうな こだわりを往々にして感じることができる。 ”トールセダン” は成功とは言い難かったが、後の世に車はトールどころか “箱そのもの” に変貌を遂げた。

逆に言えば近年のホンダには、そういう “ヘンコな” こだわりが大分に薄れてきたようにも思える・・。

つまらない こだわりを捨てることが時代への即応性を高め、発展につながることは事実であろうが、出来るならば 何処かに、ホンダならではのオリジナリティを持ち続けてほしいと思うのは贅沢なことだろうか・・。

 

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