HBミサイルランチャー!

Amazon を見ていると画像のようなものを発見した。

元々 ネットの本屋だったAmazon、急速に取り扱い品目を増やして今ではAmazonで手に入らぬものはないほど。 ついに生鮮食料品まで扱い出したのか? と思ったら、実態は “筆箱” であった。

リアルな魚の姿の筆箱 / 筆入・・、入れるものはさしずめ魚の身か内臓となるのか? 何か生臭くなりそうなイメージがして嫌だ・・。こんなの欲しがる人いるのか? と思ったが、やはり感性は人それぞれ、レビューも沢山入っているし、魚好きの人など買われる方も多いのだろう。 (私は遠慮しておくが、一応記事下にAfiリンク貼っておくので気に入られた方はどうぞw)

 

昭和中盤生まれの人なら、まず知らない人はいないであろう・・

「象が踏んでも壊れない」 サンスター「アーム筆入」、昭和40年の発売以来、半世紀を越えて今も販売が続けられる、超ロングラン文具である。 当時の形から若干リニューアルを受け、多少 丸みを帯びたデザインとなっているが、”象のマークは・・” のコピーから現在でも その堅牢性は受け継がれているようだ。

中々にセンセーショナルだったCMは、社会現象と言ってもいい程の話題を振りまき、当の小学生であった私たち学童の中にも早速持って来る者もいた。 象が踏んでも・・とはいえ、子供のすることは得てして大人の予想を遥かにしのぐ。CMどおりの頑強さを維持出来なかった「アーム筆入」も少なくなかったのでないか・・?

 

数年後に “ジョークグッズ” ともいえる手帳セット「スパイメモ」が発売、さらなるヒット商品となりサンスター文具の名を知らしめるところとなる。 どうもサンスター文具という会社は、その掲げる理念のとおり、アイデアとチャレンジ精神で推し進める社風のようだ。

さらに2年後の昭和47年、発表された「ラブ&ピース」シリーズ文具は、”スマイルバッジ” だの “ニコちゃんマーク” だのの呼び名とともに、これまた一大社会現象と言えるほどの流行となった。 丸く黄色いベースカラーにシンプルな笑顔、反戦意識など解するはずもない子供たちの中にも、平和への想いはあったのだろうか・・?

 

当時の私たちの間で使われていた文具、とりわけ “筆箱” においては いくつかの種類があり、またそれに流行り廃りがあったように思う。「アーム筆入」に見られるような “プラスチック製” のものは、ある意味一番スタンダードな形といえよう。

これに準ずるものが “金属製(当時はブリキ製)” のやや薄手のもの、いわゆる “缶ペンケース” と呼ばれるもの、横に開くものが多かった。使っているうちに開閉ノッチが緩くなって締まりが悪くなるのが定番でもあった。

ボール紙の芯の上から “ビニール膜を被せた素材” で箱を成し筆箱とするもの、ビニール膜に多彩な柄をプリント出来るので、華やかにしやすく子供受けが良かった。 ボール紙+ビニール膜の素材は、その当時盛んに使われた安価なマテリアルでもある。

その素材の性質上、箱はややかさばるが、それを逆手に取り大型の筆箱に仕上げることでゴージャス化を図り、鉛筆ホールド、二段詰め、ミラー付き、果てはマグネットロックだの回転式番号錠だの、文具というより玩具への進化を目指していたようにさえ思う。

上段 鉛筆座を中途に起こし「ミサイルランチャー!」とかやってたのも子供時代ならではの想い出なのだ・・。

中高生となる頃には そんなお遊びの感覚も薄れ、再び実用本位のプラスチック製や缶ペン型、もしくはチャック付き布製もしくはビニール製の袋型となる。 言ってみればメーカーにとって小学生学童までが、そのメインターゲットユーザーとも言えたのかもしれないな・・。

 

時代は移り、文字も図形の多くもキーボードやペンタブレットから入力するようになった。紙に書いて残さずとも、間違った箇所は消しゴムで消さずとも、簡便に管理でき修正でき、何処からでも呼び出し可能な便利な世の中になったのだ。(逆に言えば停電やネット環境途絶すると、何も出来ない不便な世の中にもなった)

それでも文具は今も普通に使われている。資源問題・ペーパーレス化などで激減はしたが、今も筆記具で紙に書く即時性や有意性は失われておらず、それに拘りを持つ人も多い。世界的に見ても文具への愛着を持ち続ける愛好家はかなりの数に登る。

いずれはペーパーレスへ完全移行の時が来るのかもしれないが、その日までは文具の輝きは失われず、また文具メーカーも新機軸・趣向を凝らした商品をリリースし続ける。文具と人の関わりはもう暫くの間続くのだろう。

※ “文房具” はいわゆる筆記具とそれに関わる道具、”文具” は単に文房具の略語ではなく、文房具を含めた書斎・事務用品の総括的な呼び名だそうです。 当記事においては “文具” で統一しています。

 

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