3分50周年

日本人ほどラーメンの好きな民族はいないのではなかろうか。
そう思えるほど日本におけるラーメンの消費量は高い。

・・とか考えていたら実はそうでもなかった。確かに代表的な消費国ではあるのだが、総括的な “ラーメン” の括りでの消費量は、韓国と日本でTOPを競っている状態。 インスタントラーメンに至っては、一位 韓国、以下、ベトナム、ネパール、タイ、マレーシアと続いて、日本は六位なのだそうだ・・もっと頑張れ日本!・・という程のものでもないが・・。

肝心の? 台湾、中国はさらに下がって九位と十位・・、26年ほど前、仕事で半年間 北京に赴任していたことがある。 向こうでラーメンというとかなり風味の異なる麺料理であり、そもそも探すのに苦労する。日本人が思うようなラーメンを食べたければ “日本人向け料理店” に行かなければならなかったことを思い出す。

 

私も週一位でインスタントラーメンを食べる。「サッポロ一番」の “塩” と “みそ” 二択である。極めてノーマルなやつ専門で、時折出る “季節限定” とかいうのは大抵口に合わない。 食通の人ならインスタントなど食べずに当然外食なのだろうな・・。

さて、ラーメン、ラーメンだが “インスタントラーメン” が開発されて、仕込み&調理が飛躍的に容易になったことが、大々的な普及の一因であることは確かだろう。 美味い不味いはともかく、料理の心得のない者でも ものの5分で “いただきます!” 出来るのは画期的である。

画像 © 日清食品

昭和33年、世界初のインスタントラーメン*といわれる「チキンラーメン」以降、数え切れぬほどの調理ダメ男の救いとなってきたのであろう。 * 世界初には諸説あり

 

その “インスタント” をさらに推し進め、鍋で麺を煮る手間どころかラーメン鉢や箸の用意まで省いてしまったのが “カップラーメン”、昭和46年発売の日清「カップヌードル」がその嚆矢にあたる。 昭和46年、1971年というから大阪万博の翌年、既に飽和状態となっていたインスタントラーメン消費量の打破という側面もあったという。

鉢そのものが調理器具の役目を果たす。全く新しい発想でありながらも どこか胡散臭さを残すのは、そもそも手抜き料理の必殺技 “鍋でそのまま食う” を彷彿とさせるからか・・。

ともあれ、新機軸フードの発表は世間に衝撃をもって迎えられ 瞬く間にヒット商品となった・・と、思っていたらこれまた そうでもなく、発売当初は1個¥100円という、当時のインスタントラーメン¥20~30円の4倍程度の価格が災いして、あまり売れなかったようである。 そういえばウチの親も中々買ってくれなかったような気がする・・。

新奇なものに寛容な若手世代へのアピール、専用自動販売機の開発設置、特殊需要への売り込みなど幾多の行動が功を奏して徐々に売上は向上、発売開始から節目である今年50周年まで500億食(2022年)を超える世界的なヒットとなった。

 

売れ始めれば話も変わる。「カップヌードル」が認知を高め 売上を伸ばしてゆく中、遅れを取るなとばかり各社より類似のカップラーメンも次々と発売された。1973(昭和48)年までに14社、27のカップラーメンブランドが出来上がったという。

多くは2番3番手の儚さか 時の彼方へ埋もれたが、古参で今もその名が残っているのは、サンヨー食品「サッポロ一番 カップスター」、徳島製粉「金ちゃんヌードル」あたりか・・。

どこのメーカーかは忘れたが、当時「101」という名のカップラーメンがあって「イチ・マール・イッチ ♪ イチ・マル・イッチ ♪」と、”フォーリーブス” だか誰だか 盛んに宣伝していたような記憶が、何故だか頭の片隅に残っている。

画像 © 日清食品

正直なところ “美味いか?” と問われれば、然程 毎日食べたくなるような美味さでもない。たまに食べれば気分が変わって美味しいかな・・というレベルではあるものの、非常食?の役割も含めて いつも家には2~3個は置いてある。

それでも、ちょっと小腹が空いた時には重宝で舌と気分の転換にはなる。そんな生活の隙間を埋めながら50年、500億食(他社のも含めれば1000億食位か?)の成果を築き上げてきたカップラーメンの道程・・。

外で食べながら歩くのも、受話器片手にベラベラ喋るのも、何ら臆せぬ世風となった現代、時代は食を変え行動を変え、文化はまた時代を変え続けてゆくのだろう。

『カップヌードルの裏側』 日清食品 特設サイト

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