諸事情により本日は過去投稿からのリライト(書き直し)記事、そして次回5月6日掲載分はお休みとさせていただきたい。 何卒ご了承の程をお願い致します。
街角の、それも高いビルの屋上に一際異彩を放つ「ぢ」の一文字、中高年、座り仕事が主な諸兄にはお馴染みの、株式会社ヒサヤ大黒堂 のトレードマークである。
子供の頃 親の読む新聞の片隅に、小さな升目で囲まれた「ぢ」の広告を時折見かけた。 当時この文字が何を意味するのか知らず、親に聞いてみると「そういう お尻の病気があるのだよ、その薬の広告だ」と教えられた。
お尻の病気? お尻が病気になるの? そして「ぢ」、 「じ」ではなく あまり使わない文字の方の「ぢ」・・、「ち=血」のイメージがある上に 更に “濁点” まで付くなんて、どれだけ恐ろしい病気なんだと見当違いの恐怖を覚え、街角でこの文字を見る度に妙な気分になった・・。 (アホかいなと思われるかも知れんが、子供の感覚なんてそんなものである・・)
誠意を尽くした業態からか、はたまたニッチかつ専門的な分野を進んだからか、国内のみならず海外にまで進出し、異国の街角にも あのトレードマークを誇らしげに掲げていると聞く。 東南アジアに出向されていた方が、現地の人から “あの文字” の意味を問われ苦慮したと話しておられたのを聞いたときは笑った。
まぁ、笑い事ではなく、痔といえど、こじらすとかなり大変なようなので気をつけるに越したことはない。
治癒困難な状態にまで至った痔を治すためのものなのか、関連施設として「苦楽園祖心堂修治道場」なる寺院が兵庫県に存在する。
古来より痔は完全治癒が難しい病であったようで、”寺に駆け込み祈祷してもらわねばならぬほど難儀な病” ということから “寺” に “疒” が付いた文字となったのだそうな。デスクワーク中心の私も注意せねば・・。
創業四百有余年、今日も痔に悩める人々を癒すために粛々と業務を進めておられる。
「ぢ」の看板は今も銀座の往来に堂々とそびえている・・。