メキシコでもなけりゃエジプトでもなかった


昭和36年当時の「伊豆シャボテン公園」

先日 “イナバナ.コム” の方で静岡県伊東市(伊豆半島)の記事を書いた。
昭和時代を知る者で伊豆の伊東、そして温泉と言えば「イトウに行くならハ・ト・ヤ♪」である。

平易で憶えやすくノリの良い歌は、昭和の歌謡界に大きな足跡を残した “いずみたく” 氏による作曲、ユニークな活動で知られた “野坂昭如” 氏の作詞によるものだそうだが、実にテンポ良くホテルのイメージや情報がスルリと入ってくる。

“ハトヤ” が全国区になったことで、それまでの熱海や修善寺とともに伊東温泉とその周辺観光の隆盛に拍車が掛かったことは言うまでもない。

記事はそもそも伊東温泉そのものではなく、その6km程南にある『伊豆シャボテン動物公園』(旧 シャボテン公園)関連のイベントを取り上げたのだが、そこで昔のひとつの記憶が甦った。

「シャボテン公園」のシンボルとでもいうべき巨大な神獣 “荒原竜” の彫像である。

40年代 “第一次怪獣ブーム” をご存知の方なら よくご存知であろう。”ウルトラマン” ネタである。これは “昭和テロップ” の記事として扱えるな!? とばかり調べたら、既に結構な数のブログで取り上げられていた・・。 マァそんなもんである・・(^_^;)

 

“アントラー” である。 ”アントラー” は私の中でもかなり好きな怪獣であった。
(実は全く違うのだが)カブトムシとクワガタを足して割ったような出で立ちで実にカッコいい・・・。

・・ちょっと待て、・・シャボテン公園の高原竜の話じゃなかったのか?
ありゃ “アントラー” じゃなくて “ヒドラ” だろう? 何で “アントラー” が出て来るんだ?

訝しがる諸兄も多かろう、・・まったくもってそのとおり

実はこの記事を書くまで “高原竜の回” = “アントラー登場” の間違った記憶が、50年以上にわたって私の脳の中に定着していたのだ・・。 何ともはや面目ない・・(まぁ大体いつもこんな調子だが・・(-_-;)

何故 二つの話がいい加減に混ざってしまったのかは分からない。「伊豆シャボテン公園」が そのイメージに据えていた “中南米” のイメージと、”アントラー” が出てきた “中東の砂漠” のイメージがゴッチャになったところに・・、

“高原竜” のインパクトと “アントラー カッコいい” の想いだけ重なって、こういった塩梅になってしまったと考えるが、いやはや子供の頃の記憶は曖昧模糊、アテにならないものだと痛感する・・。(そもそも私自身の記憶力の悪さだが・・)

 

確認のため早速 DVDを借りて再見する。 あぁなるほど、”高原竜の回” はこういう話だったのか・・、やはり “ヒドラ” の印象が薄いな・・、それでも物語終盤、少年の霊を乗せたヒドラが 空の彼方に去ってゆくシーンは記憶に残っている。手放しでハッピーエンドとは言い難い・・。

当時 多かった子供の交通事故やひき逃げ事件という、悲しいテーマと相まっての非常に印象的なラストシーン確かにあった。 バックには「ウルトラQ」でも使われた あの懐かしい名曲も流れている。 実によくマッチして良いのだが・・アレ? これ「鳥を見た」ともゴッチャになってないか・・w。

「伊豆シャボテン公園(当時名)」は その特徴的な風情から「ウルトラマン」だけでなく、「仮面ライダー」の “ショッカーアジト” をはじめとして様々な特撮番組のロケ地として使われた。

上で “中南米” のイメージと書いたが “サボテン=メキシコ” という訳ではない。 ”高原竜” はコンドル(鷲)をイメージしているように見えるが、コンドルを “神の遣い” としていたのは、南米西岸地域に栄えた “インカ帝国” 系であってメキシコとは関係ない。

一方、”アントラー” が登場した中東と思しき場所は、”バラージ” という名の架空の町付近が舞台で、砂漠や住民(特に族長チャータムの出で立ち)から 勝手にエジプトだと思い込んでいたが・・、 今回見返すと “アララト山の近く” とある。要するにトルコ共和国の東端でありエジプトとは全く異なる地域である。(因みにアララト山の近辺にバヤジト地方というのがあるらしい= コチラで拝見すると確かに “アントラー回” の雰囲気があって興味深い)

 

子供の見るSFドラマであるから、制作側もそこまで明確な地域設定や考証を行っているわけではない。 しかし、それにも増して(子供とはいえ)人が蓄える知識・認識が、かくもあやふやで勝手な印象に左右されやすいものというのは、心に留めておくべき問題であろう。 何故ならばそれは大人であっても頻繁に見られる事象であるからだ・・。

決して自分のアホさ加減をタナに上げて言っているのではない・・ウン、言っているのではないぞ・・多分・・、 むしろこれから注意すべきは “ボケ到来” の方か・・?

 

 

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