一本の線

本日は少々 短め、B面アニメソングのご案内だけで失礼します。

題名だけで お気づきの方も多かろう、「はじめ人間ギャートルズ」のエンディングテーマ『やつらの足音のバラード』である。

一番の歌詞だけ見るとまるで民謡か童謡のような、平易で簡素な内容となっている。
しかし、この簡素な詩が心を揺さぶる。 子供の頃 既にそうであったし、大人になってからは尚の事 この歌が胸に滲みる。

 

作詞は作家ご自身、園山俊二 氏によるもの、福地泡介、東海林さだお 両氏とともに、新聞・成年雑誌のマンガ三羽烏として著名であったが、その中でも園山俊二 氏はほのぼのとしたストーリー展開のものが割と多かった。

「ギャートルズ」のみならず「ガタピシ」「がんばれゴンベ」、人と動物、人とそれを取り巻く社会や自然との関わり合いをナンセンス、時にペーソスを交えた上で、まったりしたテンポで描き出す独特の作品世界を築き上げていた。

『やつらの足音のバラード』に見る単純で、そして この世の全ての始まりを歌う内容は、同時に それ以前に有ったかもしれない全ての終焉をも表しているようで、氏の、生きる者とその世界を無限の縮尺で図ったかのような永遠性をも感じてしまう。

仲間であった東海林さだお 氏は、園山俊二の絵を「白い画用紙のまん中にスーッと一本、鉛筆で横に線を引くと、すでにそれは大平原と空を分かつ地平線なのであった」と述べておられたらしいが、まこと これに勝る言葉は無いのだろう・・。

 

作曲はご存知、ムッシュかまやつ、ちのはじめ 氏歌唱の 上の動画に合わせて かまやつひろし盤も貼っておく。

 

1968年の映画「2001年 宇宙の旅」の冒頭に見るような、”人類と知恵の邂逅” の瞬間から数万年?*、人は “知恵” の恩恵に預かりながら、同時にその “恩恵” に振り回され、進歩や発展の名のもとに、気がつけば複雑怪奇な世界を築き上げて来た。 *(WIRED 「人類の文化的躍進のきっかけ・・」

私達がこの茫漠とした一編の歌に魅せられるのは、時代の進行に反比例するかのごとく、悠然無限の世界を求める想いが、心の何処かに残っているからではなかろうか・・。

 

 

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