ルーズでもダンディでも

「ルーズでもダンディでも」と銘打ったが、他にもう少し気の利いた題は思いつかなかったのか・・? 我ながらネーミングセンス?の無さを痛感する・・。

要するに日本語で言う “ダサい・冴えない” の英語表現を探したかったのだが、翻訳で出てきたのが “Not cool(クールでない)” や “Dumb(●鹿・マヌケ)” ・・ちょっと違う・・。

何がダサいのかというと、あの人のことである。

 

『 刑事コロンボ 』

ピーター・フォーク(Peter Michael Falk, 1927年9月16日 – 2011年6月23日)主演、昭和47年から56年までNHKでレギュラー放送となり、後、民放でも貸し出し放送される珍しい例となった。

56年12月の放送が 昭和時代NHKの放送最後となったが、その後も事あるごとに再放送され、現在においてもNHK-BSプレミアムなどで折々にリリースされているので、昭和生まれのみならず平成生まれでもご存知の方は少なくないのではなかろうか。

いまさら言うまでもない、よれよれのレインコートにボサボサの髪、安物の葉巻にボロボロの愛車(プジョー403)、コロンボのトレードマークともいえるこれらのアイテムは、ドラマスタート時にスタッフが用意したものではなく、ピーター・フォーク自ら(その感性で)選んだものと言われている。

ピーター・フォーク以前に、バート・フリードやトーマス・ミッチェルという俳優さんが演じておられたとWikipediaにあったので、調べてみるとコチラの方々 ↓ 。

コロンボのキャラクターの基礎は当時から出来上がりつつあったようにも見える。ピーター・フォークがそれに磨きをかけたということだろうか・・。

 

物語の最初で 犯人による知巧に長けた犯行を見せておき、その複雑に絡み合ったトリックをひとつひとつ丁寧に、そして執着的ともいえる手管で解いてゆくストーリーは、当時のテレビドラマとしてはまだ新鮮なものだった。

“カッコいい正義の味方” の印象が強かった “刑事” のイメージを、覆すかのような冴えない男を演じながら、一歩一歩犯人を追い詰めていき、まるで、将棋(海外ドラマだからチェスかな?)のように王手・チェックメイトをかける様は、痛快そのもの・・

海外刑事ドラマとして異例の視聴率、そしてロングランを誇った。

テーマミュージック及び、個人的に印象深い「死の方程式」からエピローグシーンをご案内する。

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『 刑事コジャック 』

さても こちらは “刑事コロンボ” に対を成すかのような “バリバリ” “ダンディ” “バイタリティ” な刑事モノ、制作にあたったCBSのスタッフも “コロンボ” に抗する作品として、対極的ともいえる “リアル刑事ストーリー” を狙っていたようだ。

“コロンボ” が所属する カリフォルニア州ロサンゼルス市警察(西海岸)に対して、東海岸 ニューヨーク市警察マンハッタンサウス分署所属となっており、階級も “コロンボ” と同じく “警部 / 警部補” と設定されている。

主演の テリー・サバラス(Aristotelis “Telly” Savalas, 1922年1月21日 – 1994年1月22日)は、ギリシャ系の風貌と独自の演技力を活かし それまでも個性的な俳優として知られていたが、個性的であるがゆえに主役としてよりも脇役や敵役でのキャスティングが主だった。

彼のアクの強い、それでいてダンディなイメージは、 “コジャック” に求められた 大都会の闇をタフに生き抜くキャラクターに見事にマッチし、その俳優人生を代表する作品となった。

“タフ” や “ダンディ” をキーワードとして用いたが、”コジャック” を形作っていたものは それだけではない。要所々々で繰り出される、毒気に満ちた それでいてウィットに富んだ物言い(ジョークやスラングを含む)は、 “コジャック” のキャラクターをいやが上にも高め、彼の押しの強さとノリの良さを饒舌に演出していたと思う。

「何故いつもアメ玉を咥えているかって? お前達ボウヤの頭を理解するためさ・・」

小道具のひとつとなるのが 時折咥えている棒付きの飴(チュッパチャップスかな?)
“禁煙” のためらしいが、ハードボイルドの対比となりそうなアイテムを用いることで “コジャック” の奥行きを深めている。 ”冴えない感” を増強していたコロンボの安葉巻と対にもなっている。

 

そして もうひとつ、忘れてならないのが、”コジャック” のアフレコを日本で担当した 声優 森山周一郎(1934年7月26日 – 2021年2月8日)の、渋さと重みに満ちた声であろう。

ジャン・ギャバンの声などで知られていた森山であったが、アクの強い “コジャック” のキャラクターにハマり過ぎるほどハマり、日本の茶の間に “コジャック” = “サバラス” =森山周一郎 のイメージが定着していった。

これは、日本国内だけの現象に留まらず、 “サバラス=森山周一郎” のマッチングはアメリカ国内でも評価され “ニューズウィーク誌” にも取り上げられ、さらに これが縁で “サバラス” と森山周一郎との交流が生まれたそうだ。

この項では オープニングと、殉職した仲間の汚名を晴らすため 警察本部長にさえ食って掛かるコジャックの男気を描いた一場面をお送りする。

 

ピーター・フォーク も テリー・サバラス も既に鬼籍に入られて久しい。

安物の特番映画ではないが『 コロンボ vs コジャック 』でもあったなら面白かったのではないかとも思う。 アメリカ中部 セントルイスで起こった奇妙な事件とその背後に蠢く巨大な影を解き明かすため、特別派遣された二人の刑事がその腕を競う・・! ・・ダメだ、設定に無理がありすぎる

「どうした? 競馬でスッて服まで質に入れちまったのか?」
「いやぁ、ウチのカミさんがね・・」

・・そもそも全く噛み合わないかも

(謝:敬称略)

 

 

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