ウイスキーは飲めないが

ロンドン、リラン、シュビダブン・・ ♪(耳コピ、聞く人によって歌詞は様々)

記事の題名とこの歌詞?で ご存知、サントリーオールドのCMソングである。

正確な歌詞は以下のとおり

夜が来る ~人間みな兄弟~ 作詞・作曲:小林亜星

don don di don – shu bi da den  o – de – e – e – e – o –
don don di don – shu bi da den  don don shu bi da don –

サントリーのサイトでスコアとともに公開されている。(PDF)
歌詞そのものは さしたる意味を持たない、スキャットの一種である。

オリジナル・バージョンの歌唱は、作曲当時、上智大学の教授であったサイラス・モズレーという人物によるものとされているが、プロの歌手ではなかったのだろうか? それにしては、あまりにもハマり過ぎている。
昭和43年に発表されて以来、長年に渡って放映され続け多くのバージョンをも生み出している。

人は初めて見知り馴染んだものを基準化させ、その後 与えられるものは初版に比較して判断する傾向があるので、どうしても最初に認識したものが優位になりがちだが、それにしても この歌唱、CMソングとしての完成度は特筆に値する。

 

近年のエントリー商品に関しては分からないが、サントリーは昭和の時代からCMに対して並々ならぬ熱意を維持し続けた企業と言えよう。

酒・アルコールを生業としているのだから当然と言えば当然だが、彼らをしてCMに流されるメッセージは ”大人の趣向” であろう。

以前、記事にした「わからないけどわかるノリ」でも、日本ではまだ無名に近かった “サミー・デイヴィスJr.” 氏を起用、これもまた まだまだ馴染みの薄いブラコンなノリとともに、新しい大人の肖像を描いてみせた。(日野皓正版でも同じく)

 

そして、共通しているのは ”大人の趣向” というテーゼだけではなく、”見ていると呑みたくなる” という、コマーシャル・メッセージにとって最も必要とされる力に溢れていることではなかろうか。

それも大抵の場合、商品そのものを強引に主張してこない。あくまでイメージ優先である。

 

冒頭から商品名を連呼して、大騒ぎな演出を押し出してでも視聴者のイメージに残れば成功!・・というのもCMの一形態だとは思うが(特に数を売り上げなければならない安価な商品のCMに多い)、 サントリーの、”その商品” を買い、嗜むことで得られるであろう自らの姿と雰囲気を絶妙に作り上げる、CM制作担当者の力量には感心させられる。

何せ、殆どアルコールを必要としない私でも、思わず飲んでみたくなるのだ・・w。
(日本酒とワインをほんの少しだけ嗜む・・というより舐める程度)

 

話を戻そう、最初のバージョン以降、様々なバリエーションが制作されたが、サイラス・モズレー版がそれらの試金石であることは疑いがない。

昭和の時代、まだ子供だった頃、そう、夜半なのであろう、テレビ番組の片隅に流れ描かれる ”大人の世界” 、 自分には遠い未来、いつか訪れるかもしれない 日々の疲れと幾ばくかの哀愁と、そして心に灯るささやかな想い出に半ば畏れ半ば憧れていたことを憶えている・・。

平成の時代になってからは、田中裕子氏らによる ”恋は遠い日の花火ではない” 編、國村隼 氏出演の ”父と娘” 編などが記憶として受け継がれた。

 

あの日から数十年、誰しもがそうであるように、私も私なりに様々な暦を数えて生きてきた。 出会いもしたし別れもした。生きることに悩み めぐり合わせに喜び、自分の家族も設けたし子供たちも既に巣立った・・。

しかし、ずっと私は思い続けている。「あれから私は “大人” になれたのだろうか・・」

本当の大人とは どのような人を言うのであろう・・
その答えが得られようと得られまいと、私が “大人” になれそうにないことは確かなのだが・・。

 

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