音の小箱

画像は作り物、まぁこんな雰囲気だったということで・・

馴染みの電器屋で カセットテープレコーダーを初めて見聞きした後 オヤジは言った。
「駄目だ、あんなンじゃ・・」

 

どういうわけか家でテープレコーダーを買うことになった。
おそらく昭和43年前後のことだったかと思う。

仕事の合間だったのか夕刻 オヤジの後について近所の電器屋に行った。
当時は大規模な家電販売店など無く、せいぜい百貨店の電気製品売り場に行けば色々見られるよ位なものだったので、家電製品の購入先はもっぱら “町の電器屋さん” だった。

日が暮れかかる中、煌々と灯りが灯る店内だったことを何故か色濃く憶えている。
でも、もしかしたら流行りの蛍光灯ではなく未だ裸電球だったかもしれない・・電器屋のくせにw

しばらく電器屋の大将相手にあれこれ話していたオヤジだったが、ふと店の奥から出してきて(おそらくは)「最新型の小型テープレコーダーだよ」とか何とか言いながら、動かして見せたのが冒頭のカセットテープレコーダーだった。

昔の人の感覚というか、大きく重くガッシリ作られているものは やはり性能が良い。小型で軽くてプラスチック満載のものはじきに壊れる・・といった思い込みがあった。

マァあながち間違いでもないし、私にも多かれ少なかれそういったところが未だにあるのだが・・

ともあれ、旧来からあったオープンリール式のテープレコーダーをオヤジは選び、注文を済ませると帰途についた。 納品に3~4日かかるのだろう、買ったものをすぐに持って帰れるようになるのは量販店が登場してからである・・。

帰り道すがら 私に言った感想が上の「駄目だ・・」だった

こんな感じだっただろうか・・?

重厚長大思考はともかく、当時、登場してから間もないカセットテープレコーダーは技術的にもまだまだこれから、音質的にも ちょっと気の利いたラジオになら負けそうなレベルだった。

カセット[cassette]フランス語で小さな宝石箱を意味する小粋な呼び名を与えられたテープとそのシステムは、子供だった私の目から見てもスマートで未来的で格好良く思えたが、音質的にはオヤジに同意だった・・その時は・・。

それが その後10年余りの間に技術革新を繰り返して、性能・音質とも桁違いに向上、Hi-Fiオーディオをはじめとした、一般向け録音メディアの世界標準にまでなるとは・・

 

さて、さらに月日は経って現在は?・・というと、既にテープという媒体を録音や録画に用いる時代が終わって10年、いや20年近くが経とうとしている・・。

CD-R や DVD-R に録音・録画することさえ最近では少なく、ハードディスクに、フラッシュメディアに、果ては媒体を一切捨て去ってクラウド上にデータアップする。
隔世の感どころか、当時なら説明されても理解さえ出来なかったかもしれない・・。

レトロなオーディオデッキに必要な高品質のカセットテープは生産終了となって久しいため、最近ではデッドストックが有れば、ネット上で高額で取り引きされている。
いやはや、もう 何が何だか・・・。

 

↑ 机上に見えるのが、その時買ったオープンリール式のデッキだと思う。 モデルは当然ワタクシ・・マイクを持って何をしているのかは さっぱり憶えていない・・。 している・・と、いうよりおそらく何かやらされていたのだろう・・。

 

 

 

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