漫画は男の子だけのものじゃない

いわゆる “漫画世代” なので子供の頃から数多の漫画に親しんできた。
恥ずかしながら 今この歳になっても結構読んでいる。

恥ずかしながら・・というのは、やはり昭和世代の感覚の名残りであろう。
漫画など所詮子供の読むもの・・という感覚である。

今時の漫画は(もちろんモノによるとは思うが・・)ヘタな小説など及ばないほどの表現力を持ち、そのジャンルも昭和時代には考えもつかなかったくらいに広がっている。

国が漫画やアニメーションを日本の文化として発信してゆく施策をとったのは、(いつもながらに)本質的な意味はそっちのけのまま表面的・経済的な効果を期待したものにしか見えないが、 日本で創作され世界で支持される漫画と同じレベルの漫画を、世界が中々作れないという一面を見ても、漫画というものに日本人独特の感性が反映されていると見ても良いのではなかろうか・・。

 

講釈はともかく・・

漫画にも当然 女性向けのものも多く昭和時代には “少女漫画” として大きなジャンルを築いていた。 今に名を残す著名な男性漫画の作者も、デビュー当時は少女漫画誌からだったという方も少なくない。

男性なので 目にする機会は限られていたが、思いの外 “ギャグもの” “立身もの” “SFもの” はては “ホラーもの” など多彩なジャンルに富んでいた。只、立身譚や冒険譚であってもそこには必ず恋愛要素が大きく働いていたように思う。

ともあれ、当時の少女たちの支持を受けた “少女漫画雑誌” は次々と創刊を果たしてゆき、最盛期には数十誌を数えていた。 その進化展開は男性漫画雑誌に勝るとも劣らず “成人向け” の女性漫画誌をも生み出している。

個人的には女性漫画の緻密な感情表現が苦手なので あまり読まなかったが、学生時代に借りて読んだ 土田よしこ氏作「つる姫じゃ〜!」は、最早 男女の枠さえ超えて楽しめる傑作であった。

“当時の少女” であった うちのカミさんに聞いてみれば、付録が有ったので「なかよし」「りぼん」を買っていたとのこと・・ あぁ、まぁそうだろうかねw

興味深いことに少年漫画雑誌と違い、少女漫画雑誌の殆どは別冊、月刊など細分化はされても、その大半は現在も生き残っていること。

そして連載開始以来、「王家の紋章」細川智栄子あんど芙〜みん氏作、「エロイカより愛をこめて」青池保子氏作、「ガラスの仮面」美内すずえ氏作など、数十年いや時代を越えていまだに連載が続けられている作品が少なくないこと・・。

爆発的なパワーはあってもいずれは終焉を迎え 淘汰されてゆく少年・男性物に対して、生き続ける力をいつまでも失わない女性の強さが、漫画の世界にも反映されているようで考えさせられる。

 

因みに近年で最も気に入った漫画は panpanya(パンパンヤ)氏の作品群、そして、芦奈野ひとし氏による「コトノバドライブ」である。

 

 

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