先日の「怪獣ブーム」のウケが良かったので気を良くしてまた怪獣ネタを書いてみる。
現金なのか、ウレシガリなのか・・
怪獣ブームの最中、私たちは小学生であった。先日の記事のごとくここに商機を見出したメーカーは、塩化ビニール製の怪獣人形「ソフビ怪獣」を売り出して それなりの利益を得るわけだが、残念?なことに いかに怪獣ものとはいえ “人形遊び” に興じるのは、未就学(幼稚園・保育園)時代から せいぜい小学2年生位までといったところか・・。
子供であっても子供なりの社会性や対面というものがあるようで、「お前 まだそんなモンで遊んでんのか〜w?」なんてお互い言われたくない。(小2の時、持っていたハンカチがたまたま “伊賀の影丸” 柄だったのを笑われたことがある)
いつしかソフビ怪獣は子供たちの手を離れ そのうち見向きもされなくなって「要らんのなら処分するで!」と親から顰蹙を買うことになる・・。
大人の真似をして背伸びをしたがる世代の予備軍といったところだが、そこはまだ低学年児、怪獣への憧憬が断ち切れたわけではない、「ウルトラセブン」はどんなことがあっても見逃さない。(だってビデオなんて無い時代だもの・・)
その子供の心理を読み取ったか、気持ちの隙間に滑り込むようにやって来たのが「怪獣下敷き」だった。 誰が持って来始めだったのか、瞬く間に広まった。
これは良い、何と言っても “下敷き” である。 ”下敷き” は勉強道具である。学童の必需品である。 怪獣の柄が入っているが、普通の下敷きでも柄入りのものはいくらでもあるので これもOKである。
かくして 大人への社会性と素の欲求を両立、男子小学生の面子(メンツ)を保ったマストアイテムは、私たちの必需品となったのであった。 親たちがどう思っていたか それは知らない・・。
マストアイテムの下敷きは皆に話題を興し活用されたが(主に勉強用途以外で)、品質の方はもうひとつであったように思う。
下敷きの素材は(最初のうちは)セルロイド、規制されてからは いわゆるプラスチック製のものが昔も今も一般的であるが、「怪獣下敷き」は基材がボール紙でその上に柄を印刷した紙を貼り合わせ、最後に薄膜ビニールでラッピングして仕上げてある。
プラスチック製に比べて割れたり欠けたりする心配はないのだが、筆圧が高いと下敷きそのものに型が付く、乱暴に扱うと折れる、使っているうちに貼り合わせが剥がれてくるということが多かったようだ。
それでも 天啓のごとくもたらされた「怪獣下敷き」を私たちは愛し、休み時間の間に間に話題を盛り上げるリアルSNSとして重用したのであった。
しかも それは新たなムーブメントをも生み出してゆくことになる・・。