最初の怪獣とブルマァク

昭和40年代の半ば頃、正に「怪獣ブーム」だった。

本来 子供向けであるはずの娯楽がテレビ時代の到来と相まって、社会的に取り沙汰される程の熱気を持っていたのは、近代以降 稀有な出来事であったのではないか・・。
後の「ポケモンブーム」などより余程広範に知られていたように思う。

自分も子供時代をモロにこのブームの中で過ごしたクチであったが、そもそも自分にとって “最初の怪獣” は何だったのか? と、ふと考えてみた時 それはやはり “ゴジラ” であった。

 

映画作品「ゴジラ」の公開は 昭和29年(1954年)なので自分にリアルタイムの記憶は無い。 よってテレビでの再放送か何かを見たのであろう。おそらく子供特有のポカンと口でも開けて食い入るように見ていたのかもしれない・・。

そして、その晩 ゴジラは私の夢においでになった。

辺りは夜の闇に包まれている、 ズズーン!ズズーン!と大地を震わせ街を蹂躙しながら一歩一歩 自分を追いかけて来るゴジラ、逃げようにも(得てして夢の中ではそうであるように)何故か足が一向に進まない・・ 踏み潰される!

そこで目が覚めた、汗ぐっしょり、泣いていたかもしれない、親に介抱してもらっていたのだろう。 自分の記憶にある限りの “悪夢 第1号” である。
(因みに第2号は「妖怪百物語」の のっぺら坊)

 

年齢的にも考えて、いわゆる “トラウマ” になりそうな仮想体験であったわけだが、何故か その後の “怪獣ブーム” には何の影響も与えなかった。

あれほど恐怖の対象であったゴジラも難なく受け入れ、夏休みになるとやってくる「東宝チャンピオンまつり」を心待ちにしたものだ。
気まぐれな子供の心持ちとはいえ、あの切り替えは何だったのだろう・・?

 

最初の次、第2の記憶に残る怪獣は “地底怪獣バラゴン” であった。
ゴジラはともかく “バラゴン” となると、そちらの方に詳しい向きでないと知らない人も多いであろう。
昭和40年に公開された東宝映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』に登場した怪獣である。

事実、自分もその名前も素性も後年になってから知った。
買ってもらった “ソフビ人形(ソフトビニール製人形)” の怪獣がこれだったのである。
何というか牛とサイと恐竜を足して割ったような外観だったが、いかにも “怪獣” らしくて気に入っていた。

 

怪獣ソフビ人形 を商品化・販売していたのは「マルサン商店」そしてその資産を引き継いだ「ブルマァク」

流行り廃り、波の大きい “キャラクターもの” を巧みに売出し、不沈を味わいながらも「ウルトラ」シリーズをはじめとしてゴジラ・ガメラなど、大量の怪獣ソフビ人形を世に送り出し、子供たちの歓声とその親の苦味顔をかった。

“ウルトラマン” など “正義の味方” ならともかく、何でわざわざ “倒され役で気持ちの悪い怪獣” を喜んで欲しがるのか、当時の親たちの世代には理解し難かったのかもしれない。

これもまた「ジェネレーションギャップ」というやつだったのかもしれないな。

 

 

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