人パンジー

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1976年というから昭和の51年、世界に(否、おそらくは日本と一部の国で)驚くべきニュースが駆け巡った。

人間とも猿(類人猿)とも異なる染色体の数を持つチンパンジーが発見されたというのだ。(人間=46本 類人猿=48本 そのチンパンジー=47本)

生物学上 有り得ない話で科学者をはじめとして多くの者は極めて懐疑的であった。
しかし、もし本当であれば生物学の根幹を揺るがす画期的な発見であり、人に近づいた猿として進化論にも多大な影響を及ぼす存在となるはずだった。

 

そのチンパンジーの名は「オリバー君」
常に二足で歩行し、ビールやタバコを嗜み、捕獲されたアフリカでは原住民とともに過ごしていたとされた。

情報が横溢する現代であれば、そんな猿いくらでもあろうことは容易に解るが、未だそうでない時代に人々の興味を引くには充分の謳い文句だったのだろう。

大々的な宣伝を打ち来日、人間扱いということで一流ホテルに泊まり、多額の出演料をしてテレビにも出演、多くの話題を攫った。

挙句、テレビ局は「オリバー君の花嫁(人間)募集」まで打ち出す始末・・

 

・・結果は大方の予想どおり染色体の確認ミス(通常どおり48本)
・・と、いうよりも、最初からそんなことはどちらでもよく、世間に話題と旋風を巻き起こして利を得る興行師の仕掛けたエンターテイメント?であったようだ。

興行師自身、自ら「虚業家」と称しているのが、むしろ清清しいほどに不快を誘う。

 

テレビをはじめとしたメディア・興行に「演出」が伴うのは当然であるし、だからこそ楽しくも面白くもあるのだが・・、 どのような事にもそこに “程度” と “責任” が存在するべきだと思うのだがどうだろうか・・。

“それ” を求める大衆があるからこそ無責任な興行や演出が成り立っているのも事実なので、結局のところ堂々巡りなのだが・・

 

一年も経たずして話題も終息し、帰国したオリバー君は もう用済みとばかり、不遇の余生を過ごしたと言われる。

 

 

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